2020年10月27日更新
総選挙:50以上の地域で投票中止
11月8日の総選挙を目前に控え、選挙管理委員会は、治安に問題があるとして50を超える地域での投票を中止することを決定した。
軍と反政府武装勢力の衝突が収まらないラカイン州、シャン州、カチン州、カレン州、モン州、バゴー自治管区が対象とされ、130万人の選挙権がはく奪されることとなる。
軍部や与党を有利にするための不当行為であるとの批判が高まっている。
(2020年10月18日および21日付けMizzima記事より要約)
総選挙:ラカイン州で与党候補3人拉致
ラカイン州で10月14日、与党「国民民主連盟(NLD)」候補3人が反政府武装組織「アラカン軍(AA)」に拉致される事件が発生した。
AAは10月19日、3人を拉致したことを認める声明を発表した。解放条件として、当局に不当に拘束された政治家や学生など市民の釈放を要求している。
今回の事件に対する政府や軍による公式コメントは今のところ発表されていないが、NLD幹部は「AAの要求を受け入れるのは難しい。拉致といった暴力行為が政治的解決につながることはない」と述べた。
(2020年10月19日付けRadio Free Asia記事より要約)
反政府武装組織、住民から米を強請か
人権NGO「チン人権機構(CHRO)」 は10月20日、反政府武装組織「アラカン軍(AA)」がチン州パレトワにおいて安価で米を売るよう住民に強要していると報告した。
CHROは国連との協議資格を有する団体で、ミャンマーの民族紛争に係る人権侵害について、各国大使館や国際機関に月次報告を行っている。
CHROによると、パレトワの現在の米の市価がひと袋58ドル(約6100円)に対し、AAは住民からひと袋31ドル(約3250円)で購入しており、しかも住民はAAの拠点まで米を運ばされ、運搬料はひと袋1.5ドル(約160円)だという。
CHRO広報担当、サライ・リアン氏は「被害規模は現在調査中だが、AAはこうした米の買い方を2年も続けており、売らない場合、罰金を科せられた住民もいると聞いた」と述べた。
これに対し、AA幹部のカイントゥカ氏は「我々はメンバーに値切ることすら禁じている」とCHROの報告を一蹴し、「国軍こそ、パレトワで輸送船1艘あたり39~155ドル(約5100円~16200円)の税をとり、輸送物の米ひと袋あたり8~16ドル(約840円~1700円)の税をかけている。軍が輸送路を封鎖をしたため米が必要以上に高騰しているが、CHROはこうしたことについては報告しない」と批判した。
チン州当局のソーテッ氏は、AA拠点地域は管轄外と前置きした上で「(食料輸送を川に頼るパレトワで)米の入手は簡単ではない。しかし、住民らは自分たちの米をAAに市価の3分の2以下で売っていると聞く」と述べた。
2月と3月にパレトワ近くで軍とAAの激しい戦闘があり、近隣道路の封鎖措置がとられた。以来、輸送手段が限られたことで、パレトワの食料供給に影響が出ており、住民は当局の米販売(量の上限あり)に頼らざるを得ない状況だという。
(2020年10月22日付けIrrawaddy記事より要約)
2020年10月20日更新
ミャンマー総選挙、各党動向:軍系政党キャンペーン
軍系野党・連邦団結発展党(USDP)は10月13日、ザヤティリ郡区(Zayar Thiri Township)内の複数の地域で選挙集会を開催した。
この中で同党幹部のタンテイ氏は「もしUSDPが与党に返り咲くことができれば、恐怖政治ではなく、文明社会と規律に基づく民主主義を軸とした改革を実現したい。改革は大変な仕事だ。まずは自分たちが理想的な人間になることから始めたい。この先の5年間を任せるのが、素晴らしい政府なのか最悪の政府なのか、決定するのは国民に委ねられている。選挙が公正に開催されさえすれば、USDPの勝利は確実だ」と述べた。
(2020年10月15日付けMizzima記事より要約)
ミャンマー総選挙:与党候補者、選挙キャンペーン中に投石被害か
国民民主連盟(NLD)のチョウティツ氏(タッコン郡区から人民代表院<下院>議員に立候補)は、選挙キャンペーン中に投石被害を受けた様子について下記のように語った。
「自分と妻と選挙チームで、タッコン郡区のMa Kyee
Pin村へ入る手続きをしていた時のことだ。近くの木に何か当たる音がして振り向くと、木から葉や枝が落ちた。襲撃された可能性があると思い、電話で写真を撮っていると、今度は妻の首に石が当たり、妻は地面に倒れてしまった。続けて、スタッフのカバンが当てられた。おそらくパチンコなどの投石機による攻撃だと思う。石が飛んで来た方角には、道路を挟んで食料品店があり、連邦団結発展党(USDP)の旗と看板が掲げられていた。」
チョウティツ氏の選挙チームは、投石被害と選挙キャンペーンの妨害容疑で郡警察に通報する方向で検討している。
ネピドーでは今回の投石事件とは別に、ピンマナでもNLD選挙集会中に投石事件があったほか、ポッバティリではUSDP選挙集会中に地元の家畜業者と衝突が起きるなど、選挙戦がらみの事件が続いて起きている。
(2020年10月15日付けMizzima記事より要約)
2020年10月13日更新
ミャンマー総選挙:NLD支持率、地域差拡大か
11月8日の総選挙までひと月を切った。
選挙監視グループ「People’s Alliance for Credible Elections (PACE)」は8月3日から5日にかけ、総選挙に関する世論調査を国内すべての行政区画(州および自治管区)で、計2577人に行った。
PACEは10月5日に結果を発表したが、それによると、与党・国民民主連盟(NLD)の支持率は、国民の68%を占めるビルマ族が多い都市部を中心に39%にも上った。
しかし、すべての行政区画で調査を行ったとはいえ、民族紛争のある地域や新型コロナウイルスの感染者の増加が著しい地域(カチン州、シャン州、ラカイン州の少数民族が暮らす地域)では実施できなかった。
このため、全国民の声が平等に調査結果に反映されないてないとの指摘もある。
民族問題および軍事アナリストのマウンマウンソー氏は「少数民族の暮らす地域では、国内和平の進展に落胆している人が多く、こうした地域でのNLDへの支持率は大きく減少しているだろう」との見方を示した。
(2020年10月9日付けRadio Free Asia記事より要約)
ミャンマー総選挙:票獲得へ、各党動向
2019年に発足し、国内主流宗教(上座部仏教)やナショナリスト政党として知られる国民政治民主党(Democratic Party of National Politics)が今後の方針を発表した。
党幹部でテインセイン政権下には大統領府大臣を務めたソーマウン氏は「我が党は、民間部門と中小企業の発展、金融ビジネスの促進、発電や道路など社会インフラ整備に焦点をあてていく」と述べた。
(2020年10月6日付けMizzima記事より要約)
ミャンマー総選挙:選管委の検閲に抗議、6政党が政見放送実施せず
選挙管理委員会(UEC)が政見放送の演説に検閲や編集を加えるとして、6つの政党※が抗議表明として、国営ラジオおよびテレビでの政見放送に参加しないと表明した。
※不参加を表明したのは、 People’s Party (PP),、United Nationalities Democratic Party (UNDP)、Democratic Party for a New Society (DPNS),、Arakan Front Party (AFP)、 Union Danu
League for Democracy (UDLD) 、Chin National League for Democracy (CNLD)
(2020年10月8日付けMizzima記事より要約)
2020年10月8日更新
ミャンマーイスラム教徒:難民帰還問題膠着で非難の応酬
9月29日、インターネットを介して開催された第75回国連年次総会において、ミャンマーのチョウティンスウエ国家顧問府大臣はビデオ演説を通じ、発言した。
この中でチョウティンスウエ大臣はラカイン州の民族問題について触れ、「アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)やアラカン軍(AA)といった反ミャンマー政府武装組織がバングラデシュを『保護地(sanctuary)』として悪用している」と述べ、「ARSAは両国間の帰還プロセスを妨害しており、バングラデシュはその活動阻止に向けて対策を強化すべき」と要求した。
その上で、「帰還プロセスを前進させるには二国間の協力体制が必須である。ミャンマーは引き続き、帰還に向け取り組んでいく」と述べたが、バングラデシュ側の批判を買う結果となった。
バングラデシュのアブドゥル・モメン外相は翌9月30日、チョウティンスウエ大臣の発言こそ「帰還プロセスを妨害するための虚報である」と強く非難し、「2017年のミャンマー国軍の迫害を受け、バングラデシュに避難している約74万人のイスラム教徒らの帰還に二の足を踏んでいるのはミャンマー政府の方である。我々は送還する準備はできている。ミャンマー当局こそ、ラカイン州でイスラム教徒が安心して暮らせる環境を早急に整えるべきだ」と反論した。
バングラデシュのファルク・カーン外交常設委員会議長(chairman of the parliamentary standing committee on foreign affairs)もモメン外相に同調した上、「ミャンマー政府は当初から、我々二国間でも、国際社会でも、自国に暮らす全イスラム教徒をテロリストのように扱ってきた。テロ組織に保護地を与えるなどといった事実無根の虚報は容認できない」と非難した。
(2020年10月1日付けGlobal New Light of Myanmar記事および9月30日付けRadio Free Asia記事より要約)
ミャンマー国際線乗り入れ禁止措置10月31日まで再延長
ミャンマー政府は、9月30日までとしていた国際線の乗り入れ禁止措置(救援便を除く)を10月31日まで延長することを決定した。
11月に総選挙を控える中、新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあることを受けての対応だ。
(2020年9月25日付けMizzima記事より要約)
2020年10月1日更新