外国人技術者とのコミュニケーションを改善!製造業の現場で役立つ5つの具体策

外国人技術者を正社員として雇用する製造業の経営者の皆さま、工場など現場でのコミュニケーション課題に悩んでいませんか?

 文化や言語の壁によるトラブルが、スキル習得や離職率に影響することも少なくありません。

 この記事では日本ミャンマー支援機構アドバイザーの深山沙衣子が、製造業の現場で効果を発揮する「5つの具体策」を、著者自身が手がけた成功事例とともに解説します。外国人材の定着率を高め、チーム力を向上させるヒントがここにあります!

外国人技術者の雇用が中小企業にもたらすメリットと課題は

◆外国人技術者を正社員として雇用するメリット

 

・若い人材を獲得しやすい!

 日本人の雇用に比べて、外国人雇用では、地方に対する偏見を持たない若手人材を確保しやすいという大きなメリットがあります。外国人の就労希望者たちの多くは、「東京でなくてはだめだ」という先入観がそこまでなく、職場環境や賃金などの雇用条件を重要視しています。体力や持久力、デジタル機器の習得の早さなどを求める場合、日本人にこだわらなければ、若い人材を採用することが十分に可能です。

 

・企業の海外進出につながる!

 国際化においては、何より柔軟性や適応力が求められます。仕事を求めて来日する人材は、今の日本人にはないバイタリティと適応力を持っています。対象となる国の人を雇用して、本人のスキルや母国とのつながりや情報を活用すれば、海外でのビジネス展開を実行するチャンスが生まれます。

 

・事業計画が立てやすくなる

 製造業の場合、投入できる従業員の数によって、生産量が決まってくる場合もあります。人材不足は、受注控えや事業の縮小、最悪の場合は人手不足倒産にもつながる深刻な問題です。外国人雇用により、人材を確保できれば生産計画を立てやすくなり、事業の安定化や拡大・成長も期待できます。

 

◆中小製造業でのコミュニケーションの課題

【具体策1】文化の違いを理解することから始めよう

 採用した外国人にとって日本は異国です。文化も違えば習慣も違い、当然、働くことの意義や価値、常識とされる考え方も異なります。まったく異なる土台に立っている外国人を相手に、「こちらの意を察して気づいてほしい」という日本流の態度で仕事を教えてもうまくいくはずがありません。仕事への姿勢はそれぞれの国によって異なるため、「作業中はだらだらしない」「座らずに、立ったまま仕事をする」といった、日本では当たり前と思うような基本中の基本から共通認識を深めていくことをおすすめします。

 

 また、採用企業様が、ミャンマー人材を採用する前に、NPO法人リンクトゥミャンマーが参加する文化交流・多文化共生活動のイベントで、ミャンマー人たちと交流したり、文化に触れたりする機会もあります。「採用前に、事前に知ることができてよかった。採用後がスムーズだった」というお声もいただきました。このようなイベントに参加し、文化の違いを理解することもおすすめです。

【具体策2】シンプルな言葉で明確に業務指示

 日本人が相手なら二言三言で理解されるようなことも、外国人には1から10まできちんと説明しないと正しく理解してもらえません。簡潔な言葉で「はっきり 最後まで 短く言う」ことが大切です。説明をしながら、実際の手本を見せましょう。そのほうが見て真似ることができます。

 

 実際に外国人を採用する多くの企業では、「言語標準化」に取り組んでいます。たとえば、機械を使用する業務では、作業工程をA,B,Cなど分かりやすい記号に振り分け、「Aを押したらBを押す」というように作業を簡略化して伝えるのです。ひらがなや漢字の代わりにアルファベットや記号を代用します。

 図や写真を取り入れた、外国人就労者の母国語でのマニュアルを制作を用意している製造現場もあります。翻訳アプリを活用したり、翻訳サービスを行う会社に依頼することもできます。ミャンマー語の翻訳業務であれば、当社が承ります。

 

 また、日本語で説明する場合は、相手がどこまで理解しているのかを、途中で確認することも大切です。「何度も確認すると、失礼と感じるのでは?」と不安に思うかもしれませんが、彼らにとっては外国語で受ける説明です。相手が理解できているかを確認することは悪いことではありません。ミスが起きないよう、どんな小さなことでも確認を取りましょう。

【具体策3】フィードバックの頻度と方法を工夫する

 日本人従業員に対しての定期的な面談と同じように、外国人労働者にも定期的にヒアリングを設けるようにしましょう。面談のような堅苦しい形式でなくても構いません。自社に満足して働けているのか、またはどこに不満を感じているのか、フランクに話せる場を設けてもいいでしょう。

 また、外国人技術者のモチベーションが下がらないよう、職務内容全体を説明したのち、「今、あなたが担当している仕事は全体の仕事量のうちの何%で、その評価に応じた給与を支払っています」と、分かりやすく伝えましょう。昇給や人事評価のルールを理解すれば、積極的に仕事に取り組んでいくことができます。どのようにすれば評価が高まり昇給のチャンスがあるのか、何をどうすべきかを明確に示すことで、積極的で前向きな姿勢を引き出しましょう。離職を防止する可能性にもなります。

【具体策4】コミュニケーションを円滑にする仕組みづくり

 チーム内の協力関係を高めると、作業効率の向上にもつながります。 仕事中だけに限らず、懇親会や忘年会などのイベントを通して、社内コミュニケーションが活性化した事例もあります。企業で働く外国人の中には、外食や観光をしたことがないという人は多いので、喜んでもらえることも多いでしょう。

 外国人従業員の指導やサポートをしたり、彼らが困ったときの相談窓口の設置も必要です。一人の担当者にすべての指導とサポートを任せると負担になるため、複数の担当者による交代制にし、負担を分散させるようにしましょう。相談された内容がわからない場合などは、翻訳アプリや外部の通訳者を活用することもできます。

【具体策5】生活支援で技術者を長く定着させる

 日常生活の安定は、仕事のパフォーマンスに直結します。異文化で育った外国人にとってはすべて初めて経験するものです。公共交通機関の乗り方やゴミの出し方、近辺の病院や受診の仕方、など生活に必要な基本ルールを教えましょう。日本語があまり話せない場合は、不動産会社とのやり取りや契約手続きでトラブルに見舞われる可能性もあります。

 当社でご紹介するミャンマー人材には、就職前に一通りの生活ルールを教えます。日本での生活が実際に始まれば、日常の中で困る場面も出てきますので、生活面も可能な限りサポートするように努めてください。

外国人技術者とのコミュニケーションは、単なる言葉のやり取りではなく、相互理解と尊重に基づいた関係構築が大切です。本記事でご紹介した5つの施策を実践することで、外国人正社員の定着率向上、生産性向上に繋げることができます。

外国人正社員採用について詳しく知りたい方は、ぜひご一読ください!

本書では外国人雇用のノウハウや、貴重な戦力として長く働き続けてもらうためのポイントをわかりやすく解説します。

 

著者:深山沙枝子

1979年、東京都生まれ、神奈川で育つ。立教大学文学部心理学科卒業。マレーシアの専門商社や広告代理店、出版社勤務。その後、フリーライターとなる。2012年、日本ミャンマー支援機構合同会社をミャンマー人の夫と共に創設。外国人の人材約150人に対し、日本で円滑に働けるよう職業紹介や留学支援を実施した。2017年、特定非営利活動法人リンクトゥミャンマーを設立し、理事長に就任。ミャンマー人の日本での生活支援、文化交流、国際協力を行い、日本で日本人と外国人の円滑な共存を目指す活動を続けている。

 

ご購入はこちら→https://x.gd/EYM9t


Facebook

Twitter

YouTube

LINE

クリックするとお友達になります。

無料メルマガ

Email Contact


パートナーシップ構築宣言

 

書  籍

 

ミャンマー専用

レンタルWi-Fi

深山 沙衣子 

website

ミャンマー人との

縁むすび

コラム

 


tag

#ミャンマー #外国人雇用 #ミャンマー進出コンサルティング #現地進出支援 #留学生・外国人人材採用 #工場進出支援 #不動産ご紹介 #合弁パートナー探し #市場調査 #通訳派遣 #レンタカー #縫製工場委託